2016/09/06

第173号:病気と貧乏は一緒にやってくる。それを戦争が回り道して突き刺す!

<コンテンツ>
ここにきて、マイナンバーの様子に暗雲が?
《一つ目は、会社の届出がなくても独自収集》
《二つ目は、年金事務所も独自収集可能?》
《三つ目は、「無理してPC購入する必要なし」その他:便乗商法に注意喚起》
《四つ目は、市町村の「情報提供ネットワークシステム」の暗雲》
《五つ目は、決定的ダメージかも! シスコSystems製ルーターが無防備状態に》
【便乗商法じゃない視点から、対策も考えた】

「労働力」のみを確保する、労働3法の国家政策
★1.実際に裁判例も出だした、労働契約法20条(期間労働契約の条件差別禁止)
★2.労働者派遣法の派遣事業許可の厳格運用が開始
★3.経済成長と経済の豊かさは現実のものにできる(経済学論文草稿)
   ・日本には、その労働市場素養があったからこそ、
   ・「選択と消費の美学」を、これこそが自由だと勘違い
   ・現代社会の人類到達点としての思考は、
   ・さて、勘の鋭いあなたは気づいたと思うが、
   ・あなたの個別企業や事業活動を伸ばす方法

メンタルヘルスには、職場での疑い兆候発見が第一!
中高年の、元気で長く働くチェックシート

<巻頭言>

病気と貧乏は一緒にやってくる。個性や個人主義に制限をかけられると、いくら努力しても幸福は来ない。いまや、結婚期を迎えようとする者の平均的人物像は、非正規の年収250万円といった貧乏さである。高齢者が盗りすぎではなく、若年者が虐げられているのである。お恵み依存症なのか、要領依存症による貧乏なのか。病でなくとも(社会的でも)障害があると、どうしても衣食住が精一杯だから、助けてもらいたいから、何故でも活きて生きたいから、いつも我慢してお恵みをもらおうとする。世間の風潮は、「個」を優先すると、ヘイトから反日とか言われそう…だから助けて! とはいえない。周囲から反日か? みたいなことをと言われないためには、目立ってはいけない、実力を発揮してはいけない、ひたすら法令解釈や社会制度の恵みでコッソリと暮らすしかない。


§ここにきて、マイナンバーの様子に暗雲が?
《一つ目は、会社の届出がなくても独自収集》
少なくない健保組合は、会社を通じてマイナンバーの届け出がなくても、独自で個人番号の収集をしようとしている。それは、市町村から直にマイナンバーを収集する方法であって、法律的に可能なのである。その背景には、会社が個人からマイナンバーを回収する権利も義務もないとの法律の存在である。現在、健保組合のマイナンバー収集方法は、CD-ROMへの入力やネット送信が主なものであるが、要するに、わざわざ資金投資までして会社が従業員からマイナンバーを集める必要がないという結末である。まして会社は、安全管理措置の不備による(番号法ではなく根幹の)個人情報保護法違反を心配する必要もなくなるのだ。さらに番号回収業者に発注しても回収率は半分との結果ばかりが業者からは公表されている。個別企業が番号収集寸前での行政協力に留めておく(番号収集する義務は会社にない)ならば、届出同意か拒否かの調査票記入の必要がなくなることにもなる。あわてる乞食!である。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/mynum.html

《二つ目は、年金事務所も独自収集可能?》
協会健保や厚生年金の年金事務所は、今も市町村(昨年までは住基ネット)とつながっており、年金事務所のパソコンから住民票の中身を見ることができるようになっている。したがって健保組合と同様に、マイナンバー制度の全国をつなぐ設備が整えば、会社を通じたマイナンバーの届け出がなくても、独自でマイナンバー収集が可能なのである。ただ現在のところ、「基礎年金番号があればマイナンバーは必要ない」(~健康保険や厚生年金の法律条文もそのようになっている)からと返答している。ことに年金財政の内部に、財務省の手を突っ込まれたくない防御が本音のところ考えられるが…。

《三つ目は、「無理してPC購入する必要なし」その他:便乗商法に注意喚起》
マイナンバー制度の取りまとめをしている内閣府が、「無理をしてまでパソコンを購入する必要はありません」と、中小企業に対して注意喚起を促していることである、加えてパソコン操作による手続きの煩わしさまでも説明している。そして、企業の行政機関へのマイナンバー協力(権利も義務もない)といっても、制度の掲示板への張り紙程度で有ることを内閣府が示唆し、民事事件に政府は関係ないと釘を刺している。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/checklist.pdf
すなわち、労使協定締結とか就業規則の訂正など、内閣府は全く求めていない。さらに、マイナンバーの法のみの違反について内閣府は言及するが、就業規則記載事項にかかる民事の契約不履行(安全管理不行き届きの賠償責任)だとか不法行為責任(情報漏えい金銭賠償)といった民事関与には、民間同士のことだからとして一切の言及を厳密に避けている。要するに、個人情報漏えい事件と同時に損害賠償事件が生じても、国としては関係ないとの見解を内閣府が示しているのである。すなわち、国は民間個別企業の味方をしてくれない、いずれを問わず、権利を主張する側の方を持つ。

《四つ目は、市町村の「情報提供ネットワークシステム」の暗雲》
来年、2017年7月から始動を計画している、市町村の「情報提供ネットワークシステム」に暗雲がたちこめている状況だ。日本年金機構の情報漏えい事件がなければ、このシステムはインターネットを介して運用するはずであった。だが脆弱な状況が露呈したため急きょ対策を図っている最中だ。この対策期間は2017年7月前まで。(このことで市町村に提出する16年支払分の支払調書(17年1月末締め切り)にはマイナンバーを記載する意味が無いことになっている)。
ところが、これが更に延期されそうな状況が現われてきているのだ。
①都道府県を起点に、インターネットにつながらないシステムを新たに構築することとなり
②市町村の担当者には、インターネットを介するパソコンとは別に新たに併設、2台PC操作とし
③インターネットで送られてきたデータの新構築システムへの変換プログラムを今から作る。
といった計画を、各市町村の来年7月まで完成の「情報提供ネットワークシステム」としているのだ。大幅な設備投資とシステムプログラムを、今から開発するのである。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/082300645/?rt=nocnt

《五つ目は、決定的ダメージかも! シスコSystems製ルーターが無防備状態に》
そこに加えて、アメリカ安全保障局(NSA)がハッカー被害にあい、NTT東日本はじめ日本の大手中堅企業も使用しているソフト(シスコSystems製ルーター)の、その脆弱性が公開され、すでに無防備状態になっている。米国家安全保障局(NSA)が政府や企業に次々とサイバー攻撃を仕掛けるための、ハッキングに使う攻撃ソフトやコンピューターウィルスの情報を、「シャドーブローカーズ」というハッカーが盗んだのだ。その一部のNSAハッキングツールをハッカーが公開し、その他の価値のあるツールはオークションに掛けると言っている。シスコシステムズとは世界最大級の通信機器メーカーで、日本の大手企業だけでなく中堅でも圧倒的に使用されている。
そんな圧倒的に導入されているシスコシステムズのルーターに入り込まれれば、既存のウイルスソフトなんかは効果がないとのことだ。あらゆる企業、自治体、健保組合とかの団体が、インターネトにつながっているから、すでに情報は吸い取られている可能性がある。企業情報の流出危機である。そう、マイナンバーも、金になる大手企業の分は、既に流出していてもおかしくない。給料の安い中小企業のマイナンバーも時間の問題かも、その訳は諸外国に比べれば高給…だからDATAは価値があると。
世界トップを走る日本のセキュリティの弱さ(人の善さ?) シスコシステムズのルーターのハッキングツール、これで侵入されれば、国や市町村のセキュリティどころではない。大手企業を先頭に漏れてしまう、いや、時間的には既にハッキングされてハッカー、外国の軍隊、諜報機関などのUSBチップに収まっているかも。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/08/nsa-1_1.php
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/327461

【便乗商法じゃない視点から、対策も考えた】
インターネトにつながるPCは危険だ。それだけでなく購入したPCの立ち上げにネットを使えないのでは、PCを増設できない。USBチップでさえインターネットにつながるPCで共有すれば、DATAは流出する。その独立PC設置とソフト設定には、OSを導入するのにグループ単位で30万円程の費用が必要だ、それもマイナンバーの為だけに使う設備であり、インターネットには接続厳禁の代物である。健保組合、社労士事務所、会計事務所などの民間がシスコシステムズを使っている。そうするとマイナンバーは、現状では安全管理措置ができない。
シスコは対策ソフトが出来たとは言っていない。むしろ既に漏れた後なので、対策ソフトは今更必要ないかもしれないのだ。ハッカーのオークションと言っても、既に流出済みDATA確保がハッカーによって終わっているとして、販売すれば盗品だと言われるから、そう、オークションと言っておかないと、善意の第3者は装えないとの意思だ。新しいルーターを導入と言っても、費用がかかる。それも数ヵ月後には、また誰かにハッキングされるかもしれないのだ。
要するに、これの見通しが技術的に立たない。ハッキングされようが民事責任は会社が負わされる法体系だ。よって、個別事業所がPC保管する意味もなくなり再び延期の色合いが強い。個別企業向けマイナンバーの便乗商法は、IT業者、社会保険労務士(就業規則作成など)ともに、ピタッと止まっている。マイナンバーが機能しないにもかかわらず、税理士だけは意味も示さず番号記載を呼び掛けている。
内閣府は、こういった安全性が構築できない限り、マイナンバー照会に対する市町村の対応は出来ない制度だとしている。なお、国税庁(税務署)自体は、原則としてマイナンバーを回収しない。その訳とは、マイナンバーが会社に届けられたとしても、源泉徴収票が税務署に提出されるのは年収500万以上の者に限られ、所得税の扶養控除申告書も税務署に提出されずに社内保管が通例だからである。もちろん内閣府の今回の注意喚起は、IT企業や社会保険労務士の便乗商法にブレーキをかける効果を果たしている。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/checklist.pdf
そもそも、
中心となるべき市町村の地方自治の目的とは=「住民サービスや福祉の向上」との定めがある。それとの矛盾をマイナンバー制度が抱えている限り、暗雲が晴れる見通しが立たないのである。さて話は飛躍するけれど、この矛盾を解消するには滋賀県野洲市のような条例は、地方自治を考える一つのヒントになる。野洲市の条例はまるで地元民間企業が運営する「お客様第一思考」である。しかしながら、この条例は財務官僚や国税庁職員の保身にとっては決定的マイナス効果を生じるのである。
http://sp.kahoku.co.jp/editorial/20160822_01.html
さて、あなたならば、お解かりのように、
今回のマイナンバーは、「個」と総称する個性や個人主義を否定する。「貧乏の俺には関係ない!」とか、「別に害は無いから良いんじゃない!」と表装する気持ちは、個性や個人で日常を送れない彼彼女の実力の無さの現れである。その昔、視聴覚障害の人は、障害学校に通って最初に教えられる事は、「あなた方は慈悲でしか生きられないのだ、普通の人に絶対に歯向かってはいけない!」なのであった。これは障害学校初期での世界共通項目で、各国はいかに早く、慈悲一辺倒から脱出したかの優秀さだったのだ。病でなくとも障害があると、どうしても衣食住が精一杯だから、助けてもらいたい!から、なぜか活きて生きたい!から、自発してお恵みをもらおうとする、いつも我慢して。


§「労働力」のみを確保する、労働3法の国家政策
この労働3法とは、「非正規労働者対策の労働3法」と言われる労働契約法、派遣法、パート労働法のことである。経済学の切口からすれば、労働時間数で計算できるところの規格品:マニュアル労働力の商品仕入にほかならない。この労働力商品は、何らかの固有の文化価値を持った商品ではないことから、運用如何によっては労働能力の枯渇を生じる。それは、社会主義国のノルマ、ドイツヒットラーの労働者使い捨て、戦中日本の国民奉仕徴用のケースである。労働力商品ばかの着想は、経営者や労働者の労働能力発揮の自主規制を招き、経済成長マイナス&豊かさ幸福感の閉塞につながる。労働力だけでは、価値は生まない! それだけでは売り上げがたたないことで、経営者・経営管理者なら肌で知っている。それでも、経済学では未だ確立していない。(このセクションの★3は経済学論文草稿)。
良くも悪くも階級対立二元論の短絡思考!
に陥った評論家(経営現場に地に足の着いていない者)からすれば、これから始める論述は意味不明にしか読めないだろう。加えて、「本当のことに触れない」官僚主義やヒラメ人生の人にとっては、敵対的な話かもしれない。そして相も変わらず、固有文化価値を持った「労働(全般)商品」に関しては、労働基準法ならびに労働3法、さらには官僚の許容する労働諸法令案では取り扱いが難しいままなのである、それは官僚らの着想には「労働力」概念の非現実的な理屈しか存在しないからである。
「1億総活躍」と言い出して、
この労働3法の改正が突然!持ち出されてきた。今の首相は祖父であった総理大臣の影響が強いと言われているが、祖父である人物は元経産官僚:満州国建国にあたり社会主義計画経済を導入、その後の戦時経済として、戦後の高度経済成長への社会主義計画経済の導入での裏を支えた人物である。すなわち、官僚にとってみれば、民主主義を度外視できるものだから、極めて指図しやすい政策手法なのである。そして、例のごとく、「1億総活躍」の労働3法も内容は今から考えると言っている。野党や民主主義者の主張している「同一労働:同一賃金」自体をパクリ、選挙目当てで持ち出したけれど、中身の構想は全くない。むしろ祖父の常套手段である「日本的抜け道」を法律条文の随所に組み込むのではないかと、経営者団体に労働団体ともに揃って揶揄されている。


★1.実際に裁判例も出だした、労働契約法20条(期間労働契約の条件差別禁止)
行政機関の官僚的運営の弱点は、「地ならしと根回し」に時間がかかることである。立法機関はあれこれ議論の末ではあるが期日がせまれば多数決で決まる。そして裁判所は1個人の問題提起であっても、判決が出され、原則的に行政機関や立法機関に波及する。そして、労働契約法20条(期間労働契約の条件差別禁止)に係る判決が、平成28年5月13日に東京地裁から出された。これは相当影響をもつばかりか最高裁として不毛不要な訴訟提起の激減を狙ったどの説もある。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20160518.html
東京地方裁判所の労働部は、実態として労働裁判の裁判例を示す役割を持っている特徴がある。裁判官の独立性といえども最高裁判所は人事を駆使して、それを果たそうとさせている。今回判決を出した佐々木宗啓裁判官も最高裁判所が選任した司法研修所の主任教官の経歴を持っている。判決要旨の論理構成は学術的な趣きがあり、判断の論理構成は全国の裁判官のテキストにもなりかねない内容である。ただし、裁判官の独立性があるから、この5月13日判決をしのぐ論理構成があれば、全国の裁判官のテキストにはなりえないのはもちろんのことである。
すなわち、労働契約法第20条の条文では読み込めないところ、或は本事件のように高齢法の高年齢者雇用確保措置ための労働条件低下は労契法第20条が緩和されるのではないかといった、民間企業でもよくある着想に対する判断のための論理構成を提供したものである。おそらく、あなたの個別企業内とか周辺の経営者&部下からもよく似た着想が発生する。しかしながら、行政機関や裁判所に於いての無意味な議論か否かの決着は、この裁判例で着けられているのである。
【個別企業向けの簡単な論理構成の解説】
1.まず労働契約法20条の条文は次の通りである。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H19/H19HO128.html
2.その中の「その他の事情」の扱いについて判決が述べている。それを、「職務の内容」ならびに「職務の内容及び配置の変更の範囲」に準ずるような事情とした。そして、この事件では正社員と比べてそれらが同一であると裁判所は認めた。
3.定年後の継続雇用者の賃金引き下げについては、この運送会社の財務状況や経営状況から必要性は認められないとした。加えて、新卒採用正社員よりも賃金水準を低く設定したのは不当であるとした。
4.ゆえに裁判所は、高年齢者雇用確保だとしても、これでは「その他の事情」に当たらないと判断した。裁判所は会社側の主張を詳細に検討しているが、無意味な論理構成と事実羅列は判断材料として排除した様である。
……端的に言えば、これだけのことである。
なお、専門的にはなるが、裁判官がどのような判断をするかについては、日本の場合は圧倒的に「要件事実」を用いる、一種のマニュアルのような手法だ。それに対して、要件事実論(条文にどのような要件を加えるべきの論)は裁判審理では関係ない。とかく経営側も労働側も耳ざわりを良くし(経営側の気分を持ち上げたり、労働運動の励みになるような表現を書きたて)ようとする弁護士が多いが、個別企業内の担当者であるあなたは、惑わされず「要件事実」を明確に判断しておかなければならない。リーマンショックの時に、「整理解雇4要件」を四要素として経営側の人気を得たが、裁判や仮処分で大手企業含めすべて経営側は敗訴した。(もとより以前から、東京地裁労働は4要件:四要素の語句使用いかんにかかわらず、4要件説とすることを明確にしていた)。また労働側も、偽装請負&偽装派遣における、誰が採用責任者かの要件事実について、発注元や派遣先の採用行為が明白であるにもかかわらず、訴状や準備書面に於いて「労働者派遣法の不当性の要件事実論」を論述するばかりの労働側弁護士Mが一躍有名であった。が今はこの名前をきかない。(会社側弁護士は、Mに救われた?)


★2.労働者派遣法の派遣事業許可の厳格運用が開始
労働者派遣を個別企業の事業として行うことについて、今回の法改正も含めて、一挙に市場の限定的終息の方向に向かっている。それは法改正の前から方も向性が現われていた。だが、国会を含め政党や労働団体での議論にはならなかった。筆者自身も派遣法は昭和54年ごろから携わった労働市場制度であったが、平成9年ごろからの基本理念の変質を経過して、今回の派遣法改正後は直接携わることは無くした。
派遣事業者が提出しなければならない事業報告制度は、年に一度の確定申告のように様変わりをし、派遣労働市場の趨勢分析資料としての意味が薄れてしまった=ある意味で何を出しても問題にされない。
派遣事業の許可は一段と厳しくなった。不安定労働者を派遣しない条件で認められていた事業届出も廃止され許可制とされた。ただし、派遣は「業」(反復継続の意思が在る)としていなければ、人数や期間などの規制対象外であり、これからも派遣法の適用を受けるが、派遣事業許可も不要である、ここに誤解が多いのも確かではあるが…。
1.昭和60年の派遣法(土壇場で成立させたのは派遣事業法ではない)制定の時から、むやみやたらの派遣を防ぐために教育訓練の項目が定められていた。それは法制30年の中で、労働市場を行政がさじ加減するときに教育訓練の計画と実施状況でもって、派遣事業廃止届の提出を強力に促す手段として用いられてきた。事実廃止に追い込まれた事業所もあった。
2.改正後のキャリアアップの大臣告示は法律と同等の実効性を持たせている、すなわち許可基準である。改正前とは違い強力な指導が入る。国の安定所に代わる許可事業なので採算ではない。
3.すなわち許可申請の段階で、キャリアアップの教育訓練計画を提出させ、これが実行出来ない若しくは、実行出来ていないこととなれば、許可を取り消すことになった。
4.これを実際に実行するとなれば、相当の希少性のある専門業務であって、それなりの労働能力発揮がされたうえでなければ、採算性のある派遣料金が設定出来なくなるのは当然である。昭和60年当時の最初に13業務が指定されたが、その多くの派遣時間単価は3,000円~8,000円であった。2,000円程度の一般事務やファイリングは排除と質向上の追っかけっこだった。
5.要するに、採算性のある経営とするならば、今現在の事業形態はやめない限り、事業継続性はない。特定派遣事業の届出業者も、今後は許可申請となる。その許可の期間は3年であり、そのつど許可基準が厳しく問いただされる。専門性での規模縮小か不採算経営かのハードルが付きまとう。そうでない派遣業者は国内では不要としたのだ。
6.派遣労働者の雇用契約についても、派遣先との契約が満期でも中途でも、契約が終了したことを理由に解雇できないように、その労働契約の書面等のチェックを受けることとなった。この点も法改正で厳格化された雇用管理の大臣告示内容であるから、派遣契約にかかわりなく労働契約の期日までの契約履行を求められる。中途解約の場合の残った期間は何ヵ月だろうがすべて休業保障(100%保障が妥当)が必要となる。特に期間契約であれば30日前の予告や予告手当の制度自体の対象外(労契法)であるから、横暴な派遣先への有期労働契約の派遣労働者は派遣できない、それは一気に受注営業の足を引っ張ることとなる。
7.それは理屈の上では、終身雇用の派遣労働者の採用を強化しなければならないことになるが、キャリアアップ大臣告示と相まって、そういった技能や職種の長期的キャリア形成が必要としている。ところが、この長期的キャリア形成は至難の技、これを具体的に行う方法を実現することができれば、それは世紀発明! ニュービジネスでしかない。


★3.経済成長と経済の豊かさは現実のものにできる(経済学論文草稿)
日本には商品価値を生み出すための資産、公共インフラは、それなりに充実している。さまざまな理屈をつけて、取り壊しと建設をくり返さなくとも、メンテナンスやリニューアルで快適な環境のもとで、元の資産と公共インフラの活用を行うことができる。そのための労働能力の活用(投入)に切り替えれば、昨今の労働者のスクラップを進めなくとも、インバウンドや個人需要喚起による国内需要でもって、経済成長と経済の豊かさは現実のものにできる。例として=もう手遅れだが、国産材を使った純日本建築も、大工職人の枯渇と外材に比べて、国産材の「安かろう悪かろうの品質低下」に具体策が打てなかったがために絶滅危機状態ではある。元より品質は、建築にかかる労働能力の活用(投入)により100年単位の長期使用と快適住環境を確保できる商品である。この失敗に経済再生論理のヒントもある。労働能力の活用(投入)とは、全体の労働能力のうちの一部しか活用しない、「労働力」部分しか商品として流通(労働需給)させないことを止めて、各々の固有文化価値を商品化できるような労働能力全般を流通(労働需給)させるようにすれば良いのである。

¶日本には、その労働市場素養があったからこそ、
戦後経済構造には、ある程度の「科学的管理」を行うことによって、大工業化の高度経済成長及びその成長を周辺で支えた地域経済活性(地元中小企業)を果たすことができた。ところがそれが、1997年以後の非正規労働者の使用解禁により、労働能力の一部=「労働力」しか商品として扱わない=画一的規格品の生産増産を追求したものだから、利潤を生み出す労働(需要に応じた文化価値を生み出す労働)の投入を止めてしまって、=「安かろう悪かろう」の売れない商品の山を作ってしまったのである。
注1)ここでいう固有文化価値とは、高級な形式ばった芸術作品とかマニアックな芸当民芸品ではない。需要する人々が共同体で心身とも培った、「意欲、感動、希望」の三つがセットになった生産財・消費財のことである。その思想(観念)を物理的物質で具現的表現を行ったことで、最も確実に利潤を労働能力全般でもって創り出し、かつ商業流通させたからである。すなわち、意欲=スキル、感動=パフォーマンス、希望=アートの三つをセットにして、基盤となる生産財・日常生活消費財といった商品を創り出し~かつ流通させたのである。一芸に秀でなくとも需要者の思想(観念)に希望を与える物理的物質で具現的表現なのである。
注2)そして産業革命とは、こういった商品を大量に造り出すことを目指したが、同時に、希望=アートの抜けた紛い物:商品を、需要者に大量供給したのも事実である。→これが、マルクスが「資本論」などで分析した、「労働力投入のみによる商品」の説明となったわけである。だから、「労働力投入のみによる商品」は、文明基礎商品として、商品市場の中で大きな位置を占めてはいる。
注3)ところが、であるが、
  1.それ(衣食住の意欲)そのものは売惜しみでもしない限り利潤は見込めず、
  2.感動的装いで国家が買い取るとか国家政策に頼らなければ大量需要は見込めず、
  3.希望を抱いて需要者が貯蓄をしてまで買おうという品質は見込めないのは当然なのだ。
注4)そして、労働力のみを商品として流通させるには、労働密度や労働強度による価格(賃金)は異なるとしても、あくまで、「時間で計算」してしまう商品でしかないのである。それは
  イ)衣食住の生存意欲:程度を満たすための労働力商品であり、
  ロ)感動的装いを理屈で装飾した画一規格の労働力商品であり、
  ハ)最も自然に売れる利益率の高い商品(希望を抱かせる)は労働力のみでは創れないのである。
注5)そしてよく観てみると、「労働力」以上の労働全般によって商品が流通する」ことは、商品という経済形態が発明(550年程前)されて以来~今日までの基本原理なのである。日本では戦中戦後を通じて社会主義計画経済が官僚によって、公共事業や金融の護送船団方式によって進められたものだから、自由平等社会での商品や労働全般を誤解してしまったのである。そして今は、その日本経済の機構も、失われた10年の三度目の突入で崩壊してしまったのだ。

¶「選択と消費の美学」を、これこそが自由だと勘違い
している風潮である。人間の豊かさの根本にある思想(観念)の創造や構想、それを物理的物質で具現的表現した物、各々の異なった固有文化(思想:観念)価値の商業流通といった事柄にかかる自由が、眼中にない人が多い。選択したり消費したりの喜びばかりで、自主規制的枠内でアクセク過ごし歪みあい、積上げ蓄積して創造構想する喜びを知らない。そこには、本来の市場交換を担保する商業流通の動機や牽引力(希望を抱かせる商品要件)が抜け落ちる結果となっている。
そのため需要者は、時間的余裕、資金的余裕、知的余裕などを持っていない者が大半を占め、だからチャンス・金銭・生き方が貧困になるのである。貧困とは、いつの時代でもどんな時代でも、富裕との比較で貧しい状態を示す概念である、口先だけの理屈屋に惑わされてはならない。
非正規労働にしろ、労働条件が非正規に近づいていく正社員にしろ、労働力商品だけを買って貰おうとするから、
   A.昼夜働き、
   B.賃金単価は低く、
   C.生き方に知恵が無くなり、
おのずと余裕が持てなくなって貧困になるのである。A・B・C~の状態のままでは、高学歴でも、資格が在っても、結婚できでも、貧困から抜け出せるわけがない。
A~Cからの脱出を、具体的にはC→B→Aの順序で試みしかないのである、これは学術根拠のある経済学なのだ。貨幣蓄積で全面富裕になることは一生涯あり得ないことは守銭奴と資本投資家の実態事実から判明している経済学だ。ケイパビリティもそういう経済学説の一つなのである。
また、
   C.は知恵がないから富を騙し取られる、
   B.は学歴や資格は買いたたかれる、
   A.は時間の使い方が全般的に悪いから毎日が疲れ果ててしまう、
といった意味であり、これも経済学なのだ。
ICTの時代であり、ICT産業革命の真っただ中にある現代ならばこそ、非正規労働者の大多数の心情とは正反対の思考パターンを試してみることで、C→B→A順の脱出ヒントが与えられる、これは科学思想史であり認識論である(→宗教系を除く)。自己啓発本のほとんどが、素は科学思想史であり認識論であったが、ただのパクリの読みごこちのよい美辞麗句を加えたものだ。なおも気づかず目先に走り生きるだけでは、いわゆる哀れな「犬死」でしかない。

¶現代社会の人類到達点としての思考は、
「人徳を得て鬼畜にならずに済むには、先ず富を得なければならない。だがそれは、この世で叶うわけがなく、よって自由・平等の社会共同体を造り、それを維持するための法や民主主義制度を形成しよう」。
というものなのである。この基本を踏まえずに、「選択と消費の美学」ばかりに埋没するから、やはり何時までたっても這い上がれない。加えて、学歴が在ってもc生き方に知恵がなければ、感情を煽られ通常は、「世の中の大多数ルールを無視し同時に消費だけは人並みに実行する」といったアンダークラスの人に対して不正常感を抱き、その感情を他人にも煽ることとなるから、益々貧困であっても社会福祉が受けられる知恵も無くなりチャンスも遠ざかる。アンダークラスの人たちのことを、生活保護不正受給者、ニート、閉じこもり、心身障害などとの、表面的マスコミ言動を信用してしまって、自らが貧困にもかかわらず、アンダークラス攻撃する始末である、そういったことは飢餓、社会混乱、社会腐敗の歴史ですでに繰り返されるのであるが…。そして、その貧困なる「正常感覚!」信仰の持ち主は、「選択と消費の大多数ルールを守る者」として、行政機関からは、「問題をするに値しない感覚の持ち主」と見なされ、社会保障や社会福祉から排除されてしまうのである。生活保護以下の母子世帯、同じく老人の一人暮らしで排除されている人は多い。ただし、排除状態と言っても、貧困者本人の自発的意思による自主的結果としての排除であることは言うまでもない。市町村が収入面のみで把握する生活保護対象者のうち、不正受給者は0.4%(日本は極低の不正受給率)、生活保護受給者は2割程度が現状と言われている。

¶さて、勘の鋭いあなたは気づいたと思うが、
今の、あなたの個別企業とあなたの人間関係において、いったいどんな人が経済成長や経済豊かさをもたらしてくれるかに気づいただろう。そして、貧困問題が! 環境問題が! 自給自足農業生活! などと主張しても、創造性や構想力のない人物では他人を貧困に引きずりこむだけの要素が強いことも理解できただろう。すなわちあなたが、個別企業の経営者や上級幹部であったとしても、A・B・C:貧困から脱出するには、
   1段階 C→B→A順の脱出を試みられるステージに立つこと、
   2段階 そのステージの規模に関係なく社会ネットワーク的に活躍すること、
   3段階 よくよく注意し、無駄なエネルギーは使わないことなのである。
ことにステージを確保するには、大手企業や大手組織に所属するよりも、鶏口牛後=社会ネットワークが極めて重要である。集団で徒党を組もうとか・人目を優先させてしまうと、ICT産業革命の中ではカルト・セクトに自閉的に陥り、彼彼女らは排除されてしまう。集団化するには哲学が必要となり、旧来に流行した「労働力のみ商品を扱う労働政策論」とか「月並みな労働力学説」といった非現実的(イデオロギー化した)哲学に振り回されることが失敗を招き・多大なエネルギー損失をこむことになる。高齢者に年金生活者は、カルト・セクトに自閉的(高齢者ばかりの同士の付き合いなど)の陥らないような注意が必要だ。

¶あなたの個別企業や事業活動を伸ばす方法
1.労働集約型の個別企業では、アンダークラスに配慮する姿勢が人手不足解消を成功に導く。~それは貧困層男女に限らず、エリート層男女にも安心を与え、事業を安定させる。
2.世界経済環境を考慮すれば、30歳までの「ゆとり教育世代」が、1番の育成狙目である。
3.ゆとり教育とは、戦前アメリカで導入、戦後の米:経済成長を支えた「体験型教育」が元祖。
4.見下さない、本当のことに触れる、現実の話をする、との三姿勢で彼らは即戦力になる。
5.会議の思考習慣に、①物事を分類、②論理で説明、③仮説設定、これが知能を上げる。
………なぜ私が、ストレスチェック、派遣事業、同一労働同一賃金に興味がないのかは、これまでに述べた通りである。


・メンタルヘルスには、職場での疑い兆候発見が第一!
うつ病に代表される精神疾患の疑いは、次のシートで発見に努めることが先決である。初期症状の知識がないとか、「医者ではない!」といった不親切の雰囲気(安全配慮義務の不履行)が、精神疾患の多発や重篤を招いている。★合法不法問わず薬物中毒の発見にも役立っている。
厚生労働省が薦めるストレスチェックは、本省が示すとおり、あくまでもストレスに係るメンタルヘルス防止の機運を高めるためのムード作りである。また、調査票についても同じ趣旨のものであれば、内容についてこだわらないといっている。筆者は、このストレスチェックは単なる「感情を占い」程度の無意味なものとの認識であり、職場環境や人事の専門家からすれば、「オツボネ」に悪用されかねない代物と考えている。なお、ストレスチェックの監督署への実施報告は、50人以上の事業場となっており、調査票を配布したとの事柄だけ(回収不良で)差し支えない、そのことで、監督署が監督指導行うことは無いと本省は明言している。
当社のこのシートは、今日まで多くの企業で、「精神疾患の疑い」を発見してきた。それは、二週間以内の罹患でも効果があり、「何もなくてちょうどよかった!」の原則を徹底して、早期発見に効果があった。使い方は簡単で、管理職や監督職の関心が高い内容であることから、会議のときなどに当該シートを配布して、内容を読みあげておけば、直ちに使用できるものである。平成19年からの早期発見ツール。“発症2週間内発見”と“2週間内治癒”に効果があると好評。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/utsu.html


・中高年の、元気で長く働くチェックシート
今年6月に発表、疾病手前の脳虚血や心疾患などの兆候を発見、老化と勘違いした情報を医師に訴えるツール。高齢者の活用策として発表から一気に個別企業の関心が高い。もちろん働く本人にとっても、元気に長く働けることである。中高年のうつ症状は体調不良や脳虚血が原因で、その治療とともに消え去るケースも少なくない。
とりわけ、労働全般の能力を発揮して円滑に物事を進めること(これも、その地の文化的要素が強い労働)も、「労働力」程度しか発揮できない若年層に比べれば、やはり多くの高齢者は失敗や間違いが少ないのである。今や多くの個別企業が、教育や訓練をする余裕や資金を持ちえない中、元気な中高年の存在は貴重なのである。
そこでの関心事と合わせて、傷病の前段階である疾病の前触れ兆候をチェックできるものが当該シートである。なぜか未だに、疾病の前触れ兆候に医者や医学の関心が薄い、理由は官僚により保険医制度が厚労省フランチャイズ店舗に、変質させられてしまっているからだ。
このシートの使い方は、体調不良の訴えが多いシーズンごとに(できれば年4回)、一斉配布をして、職場の話題を巻き起こし、チェックシートを会社も管理監督者のだれもが回収しないことにコツがある。男女ともに更年期障害は1ヵ月余りで進行する。脳虚血による歩行障害や認知障害・言語障害は2ヵ月程度で顕著になる。だがこれらは早期発見することで1ヵ月以内に回復し、場合によっては兆候発見前よりも、精神・身体機能が改善するケースも数多く見られる。
当社で作成発表して2ヵ月余り、宣伝広告など全く行ってないが、活用企業からの連絡を集計すると5万人以上に配布され、重傷に至らず回復したとか、難病の早期発見で進行を食い止めているとの連絡が入っている。
http://www.soumubu.jp/download/template/template2/sonota/genki.html